都城の方言
ある限られた範囲の地域で用いられ、共通語とは異なる語彙(ごい)や発音・語法を交えて伝達する言語を方言と言う。
都城市の人々が話す方言にも、次のようないくつかの特徴を見いだすことができる。
| 発音上の特徴 |
都城の方言は地域の伝統から薩隅方言の一種であるが、アクセントやイントネーションが鹿児島で用いられる方言とは大いに異なっている。 角川版の『国語辞典』によれば、日本語のアクセントは系譜上四つに分類されている。京都や大阪などを中心として行われる第一種アクセント、東京都や横浜市などを中心に行われる第二種、埼玉県東北部や山梨県、島根県の各一部、長崎県や鹿児島県などを含む九州西南部地方で行われる第三種、そうして最後の第四種が、すなわち都城市を中心として北諸県地方で行われるアクセントである。
この系譜上の分類と形式上の分類との関係は、第一、三種が「京阪式」 に、第二種が 「東京式」 に当たり、第四種は「統合一型式」 のアクセントに当たるとされている。
次に都城方言の語彙は、その八、九割までは薩隅方言と同一であるが、そのアクセントやイントネーションにおいて大きく異なる。すなわち薩隅方言は抑揚の変化に富んでいるが、都城方言は極めて平板に話され、一様に語尾を揚げるのを特徴とする。
|
| 鹿児島の方言と相違する語彙 |
都城で用いられる方言と鹿児島で用いられる方言とを比較してみて、全く語彙の異なる言葉には、次のようなものがある。
|
辛い 都城 コエ 鹿児島 テセ
| 小さい 都城 コメ 鹿児島 チンケ | お前は 都城 ワラ 鹿児島 ワヤ | 誠に 都城 マコチ 鹿児島 ホンノコテ | 早い 都城 ハエ 鹿児島 ハヤカ |
寒い 都城 サミ 鹿児島 サムカ
| 蛙 都城 ビッキョ 鹿児島 ドンコ | 赤飯 都城 マンカンメシ 鹿児島 アズッメシ | 行って 都城 イタッ 鹿児島 イッセーニ | とんぼ 都城 パブタ 鹿児島 ボイ |
河童 都城 ガグレ 鹿児島 ガラッパ
| からい 都城 カレ 鹿児島 カラカ | たくさん 都城 ドッサイ 鹿児島 ズンバイ | 度々 都城 ハタレッ 鹿児島 ハイト | さようなら 都城 インマナ 鹿児島 ソイナー |
しかし 都城 ジャッドン 鹿児島 ジャッドンカラ
| | | |
| 重語の発達 |
方言語彙そのものが異なっている他に、たとえば強意の表現をするのに鹿児島では形容詞を詠嘆的に用いるが、都城では次のように形容詞を重ねる点に特徴がある。 大いに寒い 都城・サミモサミ 鹿児島・さむかぁ 大いに辛い 都城・コエモコエ 鹿児島・つらかぁ 大いに暑い 都城・ヌキモヌキ 鹿児島・あつかぁ
|
| 鹿児島の方言と相違する理由 |
同一薩摩藩という伝統を持ちながら、鹿児島と都城との方言において、語彙面と発音にこのような相違があるのは、地理的な要因と歴史的な要因とを加味して考えなけれはならない。
すなわち、都城・北諸県地方は霧島山の南東盆地にあって、地理的にも薩摩藩の本府鹿児島から遠く離れており、かつては交通の便も悪く通婚圏域ではなかった。 第二に歴史的な要因として、都城地方は島津第四代忠宗の六男資忠が、正平七年(一三五二)以来、ほとんど一貫してその子孫が統治して明治の版籍奉還に至った。
このようにあまり人的交流がなかったことなどが、その一因としてあげられよう。
|
「第14章 方言 第1節 都城方言の特色」『都城市史 別編 民俗・文化財』 1996 都城市 より
|
前のページへ
お問い合わせ 都城市教育委員会 事務局 文化財課 〒885-0034 宮崎県都城市菖蒲原町19‐1 Tel:0986-23-9547 Fax:0986-23-9549 |