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都城フィロソフィ「第2部 素晴らしい都城市とするために」
都城フィロソフィの第2部「素晴らしい都城市とするために」を掲載します。
第1章 一人ひとりが都城市役所
一人ひとりが都城市役所
都城市役所の職員は、さまざまな場で市民と接しています。
仮に100人中99人が市民のことを考えて仕事をしていても、1人の職員が市民の信頼を裏切るようなことをしてしまうと、残りの99人の職員への信頼も傷つけてしまいます。たった1人の間違った行動が、99人がこれまで築いてきたもの全てを壊してしまうのです。
職員一人ひとりが都城市役所の主役であり、都城市役所の看板を背負っていることをしっかりと肝に銘じ、当事者意識を持ち、一期一会の精神で市民サービスに努めることで、市民に信頼される都城市役所となります。
地域を愛し、地域と共に生きる
まちづくりは、市役所のみで行うものではなく、市民や企業、NPOなどの多様な主体が連携して行う時代になっています。
そのため、市役所の仕事は地域、そして市民に支えられて成り立っていると言えます。地域や市民の活力が市の活力に直結するのです。
まずは、「地域を愛し、地域と共に生きる」を掲げる私たち職員が、「隗より始めよ」の精神で、地域の行事などに積極的に参加し、地域の底力を引き出していくことが重要です。
また、地域に参画し、地域を見ることや地域の声を聞くことで、都城の魅力を再認識するとともに、仕事のヒントを得ることもできます。さらには、人との絆を実感できることから、人生がより豊かなものとなります。
都城が持っているものを生かす
自治体間の競争が激しさを増す中、都城市が選ばれる自治体となるためには、都城の魅力を高めていく必要があります。
そして、最小の経費で最大の効果を上げるには、都城が元々持っているものを掘り起こし、創意工夫を凝らしたアイデアで、付加価値を与えて活用することが、一番の近道です。
都城には、身近にありすぎて、私たちが気付いていない魅力が数多くあります。さまざまな視点から、その魅力を発掘することが重要です。
肉と焼酎に特化したふるさと納税や、ショッピングモールをリノベーションした図書館など、本市の施策には「都城が持っているものを生かす」との精神が根底に流れています。
市民目線を貫く
市役所は、市民の幸福や市の発展を実現するために市民サービスを提供する「サービス業」です。市民サービスを提供するに当たって、市役所に来る全ての人の満足を得ることは、非常に難しいことです。
なぜなら、市役所には手続きや相談のためにやむなく来る人がほとんどであり、明るい気持ちを持った人ばかりではないからです。
そのような人に気持ち良く帰ってもらうためには、市民目線を貫き、市民に寄り添った最良のサービスを提供することが必要です。
市民の喜びが私たちの喜びであると考えながら仕事に取り組む必要があります。
傾聴と共感が改善を生む
人と接するときには、積極的に相手の話を聞く傾聴の精神を持つことが重要です。相手の意図をくみ取り、相手が何を望んでいるかを知ることからコミュニケーションが始まります。
相手が考えの異なった主張をしても、一刀両断に切り捨てることなく、相手に共感しその考えを理解することで、新たな視点から物事を見つめ直すことができるようになり、さまざまな改善のヒントを得ることができます。
また、相手が意見を述べてくれることに感謝することは、互いの信頼関係を築くことにもつながります。
傾聴と共感は、組織としても個人としても、成長する良いきっかけを生み出します。
自分の仕事ではないと言わない
組織では、さまざまな仕事をみんなで分担しながら進めています。一人ひとりが自分の仕事に責任を持ってやり遂げていくことが組織全体の成功につながりますが、仕事を進める中では、当初想定していなかった誰にも属していない仕事も生じてきます。
自分の仕事ではないと言うのは簡単ですが、結局は誰かが担わなければ、仕事を成功に導くことはできません。
いたずらに時間をかけてやらない理由を探すのではなく、前向きな姿勢でどうしたらやることができるのかを考え、自分の成長につながるという思いを持って仕事に取り組むことが、組織全体にも良い影響を与えます。
率先垂範する
周りの人の協力を得るためには、率先垂範の精神で物事に取り組まなければなりません。口先ばかりではなく、人の嫌がるような仕事にも真っ先に取り組む姿勢が必要です。
特に、私たち職員は、地域においても自ら先頭に立って行動し、市民の信頼を得る必要があります。
率先垂範することは決して簡単なことではなく、強い信念と行動力が必要ですが、物事を成し遂げることで、自信と信頼を手に入れ、自らの成長を実感することができます。
都城市をより良いものとするために、役職に関係なく、全ての職員が率先垂範する風土を創り上げることが重要です。
第2章 全員の心を一つにする
本音でぶつかる
責任を持って仕事をやり遂げていくためには、関係者全員が、役職を超えて、互いに気付いた課題や問題を遠慮なく指摘し合うことが必要です。
安易に妥協せず、何が正しいかを考え、本音で真剣に議論しなければなりません。課題や問題に気付いていながら、指摘せずに和を保とうとするのは大きな間違いです。
談論風発をもって仕事を進め、時には激論を交わしながら勇気を持って互いの考えをぶつけ合っていく必要があります。
そして、議論の末に決定したことには、全員で協力しながら実行していくことで、互いの信頼関係も生まれ、より良い仕事ができるようになります。
ベクトルを合わせ、チームで取り組む
人には、それぞれさまざまな考え方がありますが、それぞれの力のベクトルがそろわなければ、力は分散してしまい、一つの大きな力とはなりません。
このことは、個人プレーだけでは勝てない野球やサッカーなどの団体競技を見ればよく分かります。
みんなでベクトルを合わせるためには、報告・連絡・相談、いわゆる「報・連・相」を怠らないこと、そして、職場全体で足並みをそろえて互いに助け合うことを意識しなければなりません。
チームの力が同じベクトルに集結したとき、何倍もの力となって驚くような成果を生み出します。1+1が3にも5にもなるのです。
笑顔で仕事に取り組む
仕事は決して楽しいことばかりではなく、苦しいことやつらいこともあります。
しかし、苦しいときやつらいときこそ、成功する未来を想像し、笑顔で仕事に取り組まなければなりません。
笑顔には、自分だけではなく、周りを元気にする力もあります。全員の気持ちを一つにして仕事に取り組むためには、笑顔の相乗効果は欠かせません。
また、笑顔でいると、良いことが自然と舞い込んでくるものです。
都城市役所は、日々、笑顔あふれるまちの実現を目指しています。ポジティブに仕事に取り組み、市役所から笑顔を発信することで、都城市の元気をつくり出していくのです。
第3章 燃える集団となる
高い目標を持つ
都城市役所は、都城フィロソフィを策定し、さらなる人財育成による組織活性化で、「市民の幸福と市の発展の実現」に取り組んでいます。その中で、「本気で挑戦!日本一の市役所!」との高い目標を立てました。
高い目標を持つ人は大きな成功を得られ、低い目標しか持たない人はそれなりの結果しか得られません。自ら高い目標を設定しパーフェクトを目指そうとすると、そこに情熱と力を注ぐことが可能になり、それが成功の鍵となるからです。
壮大な夢や高い目標を描いてこそ、想像もつかないような偉大なことを成し遂げられます。
有言実行でことに当たる
世の中ではよく、「不言実行」が美徳とされますが、都城市役所では、やると決めたことを周りの人に宣言する「有言実行」を大切にします。
まず、自らが手を挙げて「これは自分がやります」と周りの人に宣言することで、自分を奮い立たせることができます。このことによって、目標を達成することがより確実となります。
また、言葉にすることは、周りの人を巻き込み、みんなが一致団結する絶好のきっかけとなります。
朝礼や会議など、あらゆる機会を捉えて自分の考えをみんなの前で宣言することで、自分を励ますとともに、物事を成し遂げるエネルギーとするのです。
本気で挑戦する
チャレンジ(新しいことをする・工夫をする・改善をする)が仕事であり、ルーティン(前例踏襲)は、仕事ではなく作業です。
人は得てして変化を好まず、現状を守ろうとしがちですが、チャレンジせず、現状に甘んじることは、成長を諦めることを意味します。
チャレンジとは、高い目標を設定し、常に新しいものを創り出していくことですが、本気で困難に立ち向かう勇気とどんな苦労もいとわない忍耐、そして努力があってこそ実現します。
「日本一の市役所」になるという強い意志を持ち、何事も漫然とやるのではなく本気で挑戦することで、より良い都城市の未来を創っていくことができます。
成し遂げるまで諦めない
何かを成し遂げるかどうかは、その人の持っている熱意と執念に深く関わっています。何をやっても成し遂げられない人には、熱意と執念が欠けています。体裁の良い理由を探し、自分を慰め、すぐ諦めてしまうのです。
一度諦めてしまうと、諦めることに慣れてしまい、多くのものを失ってしまいます。
目標を設定したら、一歩一歩着実に進んでいくことしかできません。手詰まりの局面であるように見えても、地道に努力を積み重ね、精一杯取り組むことで見えてくるものがあります。
物事を成し遂げるには、自分に厳しく、目標達成に向かって、粘り強く最後まで諦めずにやり抜く姿勢が必要です。
今できることは今やる
私たちは、常にただ一つの仕事だけをしているわけではありません。複数の仕事に同時並行で取り組むことや、思わぬ仕事が舞い込んで、予定よりも多くの仕事を抱えることもあります。しかし、仕事の遅延で市民の生活に影響を与えてはいけません。
市役所の仕事は年度単位が基本ですが、年度始めはその年の計画を立て、軌道に乗せることに苦心します。また、年度終盤は、仕事の仕上げと次年度の準備であっという間に時間が過ぎていきます。
そのため、腰を据えて取り組めるのは、実質半年間だという心構えを持ち、「今できることは今やる」との精神で、前倒しで仕事を進めることが重要です。
スピード感を持って決断し、行動する
仕事を進める上で、スピード感は最も重要な要素の一つです。
特に、私たちは市民の安心・安全を確保する仕事をしているため、スピード感を持って決断し、行動することを意識しなければなりません。
決断や行動が遅れると、絶好の機会を逸してしまい、十分な成果が得られない可能性もあります。機を逃さずに当初から迅速に行動し十分な成果を上げるためには、常に仕事の進捗や周りの状況に目を配りながら、真剣に仕事に取り組むことが重要です。
このことが、周りの人を巻き込み、組織全体のスピードアップにもつながっていきます。
大局観を磨く
大局観とは、物事の全体を広い視野で捉え、本質を把握する見方です。
市役所の一つひとつの事業を切り取ると、必ずしも市民の全てが受益者とならない事業も存在します。そのため、事業の効果については、市全体を広い視野で捉え判断しなければなりません。
また、市民ニーズが高度化・多様化する中で、複数の分野にまたがって市民サービスが提供されるケースも増えています。そのため、多角的かつ長期的な視点を持って全体を見渡すことで、最良のサービスを提供する必要があります。
大局観は、一朝一夕に身に付くものではありません。アンテナを高く、ネットワークを張り巡らし、常に新しい情報に触れることによって日々磨かれていきます。
よく働き、よく遊ぶ
仕事は、人生の多くの時間を費やすものです。仕事に一生懸命に取り組み充実感を得ることは、人生を豊かにします。仕事で得る生きがいや喜びは人生にとって欠かせないものですが、一方で、私たちは家族や地域に支えられて生きています。
私たちがライフステージに応じて、家族や地域のためにできることを意識し、仕事以外の場でも仕事と変わらぬ情熱を持つことができれば、人生の喜びは増していきます。
仕事以外の場でも視野を広げ、自分を高めるとともに、心身の健康を養うことも重要です。常に一生懸命に前向きな姿勢で、両者の調和を図ることで、人生の喜びは倍増します。
第4章 結果にこだわる
自治体の常識・殻を打ち破る
自治体は、前例を踏襲しがちですが、時勢が目まぐるしく変わる現在、既存の考え方に捕らわれてしまっては、市民が本当に必要なサービスを提供することはできません。また、新たな課題に柔軟に対応することもできません。
自治体だからこうあるべきという固定観念に捕らわれず、自由で前向きな発想で、市民のために何が最良であるかを判断し、果敢に実行していくことが、「日本一の市役所」を目指すための土台となります。
自治体の常識・殻を打ち破ることは、自分の成長にもつながります。常に、都城市、そして自分の持つ無限の可能性を信じ、勇気を持って挑戦する姿勢こそが、素晴らしい成長をもたらします。
楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
何かを始めるときに、最初から後ろ向きな気持ちでいては、何も生み出すことはできません。新しいことを成し遂げるには、まず夢を持って、楽観的に構想することが大切です。楽観的な気持ちで自由に構想することで、実行に必要なやる気も増していきます。
しかし、計画を立てるときには、必ずやり遂げるという強い意志を持った上で、起こり得る全ての問題を悲観的に想定する必要があります。そして、対応策を慎重に考え尽くし、成功までの行程を固めなければなりません。
そして、多少のトラブルが生じても想定内と考え、必ずできるという信念を持ち、楽観的に明るく堂々と実行していくことが求められます。
コンセプトを立て、戦略的に行動し、結果を出す
自治体の仕事は、数値で評価されるものばかりではありません。そのため、仕事に結果を求めない風土もあります。
しかし、都城市においては、「自治体も経営する時代」との考えに基づき、経営資源(ヒト・モノ・カネ)を有効に活用し、市民の幸福と市の発展を実現しようとしています。
そのため、全ての施策に目標を設定し、その目標を達成するためのコンセプトを明確にし、コンセプトに沿った適切な戦略を練って、施策を推進しています。
このことにより、成功が得られ、より良い都城市が創られていきます。