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木肌のぬくもりの伝わる
宮崎ロクロ工芸品
宮崎ロクロ工芸品は、原木選びに始まり、荒削りを経て乾燥にかけ「まがり」という工具を使って仕上げられていきます。
この「まがり」は特殊なもので、使い手自ら鍛冶を打って手に合うものを作っています。材料の選別から最後の仕上げ、「まがり」の製造まで幅広い技術が必要とされます。
昭和60年8月に宮崎県伝統的工芸品に指定され、木目を最大限に生かした木肌のぬくもりの伝わる製品は、全国の愛好者に高く評価されています。
ロクロ工芸品とは
原材料
かえで、黒柿、クワ、ケヤキ、サクラ、ニガキ、朴(ほうのき)、ねむの木、イチョウ
用途
碁笥(ごけ)、湯呑、お盆、茶筒、なつめ、香合(茶道で使用)、菓子皿、ワイングラス
製造工程
(1)材料の選定、製材
熟練した技術を生かすには、使用する材料の良し悪しが大きく左右するため、品質を見極め、材料の選定・選別を行う。
(2)荒削り
全体的に荒く削る。ひび割れ防止のため、穴をあける。まがりのみは中削り用、丸バイトは外削り用である。
(3)乾燥
半年間、自然乾燥を行う。
(4)中取り
寸法を取りながら、さらに細かく削る。
(5)仕上げ
完成品に向け、全体を仕上げる。
(6)みがき
4種のペーパー(荒~細)により、表面を磨く。碁笥には布でろうを伸ばす。食器・お椀にはウレタン塗装を施す。