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エンフィールド銃
イギリスで開発されたエンフィールド銃は、 銃弾を砲口から装塡(そうてん)する前装式(ぜんそうしき)の銃で、19世紀中頃にはイギリス軍でも採用されていました。当時、この銃は世界的に高く評価され、世界各地に輸出されました。
この銃を日本に初めて導入したのは、鹿児島藩でした。文久3年(1863)に勃発した薩英戦争の後、鹿児島藩はイギリスと提携。この銃を大量に購入して軍備を整え、後に起きた戊辰戦争(ぼしんせんそう)では、大いにその威力を発揮しました。
都城島津家に残るエンフィールド銃は、銃身の形から鹿児島藩が製造したものと考えられ、製造したと推測される集成館の技術の高さをうかがい知ることができます。
この銃は、幕末における鹿児島藩、そして日本の工業力を示す重要な史料なのです。