本文
河童前之図・後之図(かっぱまえのず・うしろのず)
夏になると、お化けや妖怪が登場する怪談をよく耳にしますが、都城にもさまざまな怪談があります。その中でも、なじみ深い妖怪である河童は、怪談だけでなく笑い話なども伝わっています。
都城島津家には「河童前之図・後之図」や「河童ノ手足」が伝承されています。「河童ノ手足」は江戸時代、都城領の梶山(かじやま)(三股町梶山)で河童に出会った武士から都城島津家家臣に渡った後、都城島津家に献上されたものです。河童を殺した武士は、河童のたたりによる発熱に苦しみますが、修験者(しゅげんしゃ)の助けにより一命をとりとめました。
その「河童ノ手足」とともに、伝来したこの絵図では、河童を前面からみた「前之図」と背面からみた「後之図」が描かれています。当時の河童の姿に対する認識がよくみてとれる史料となっています。