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起請文用紙(きしょうもんようし) 牛王宝印(ごおうほういん)
都城島津邸には「牛王宝印」と呼ばれる護符が保管されています。牛王宝印は、厄よけとして使われていたほか、神仏へ誓いを立てる際の言葉を文書にした「起請文」の用紙としても用いられていました。起請文には、誓いを破れば天罰が下ると記されていました。
都城島津家の当主も、他の武将と約束を結ぶ際に、牛王宝印を使用して起請文を作成しました。8代当主北郷忠相(ほんごうただすけ)が肝付兼盛(きもつきかねもり)に対して書いた起請文には、梵天(ぼんてん)などの有名な神のほか、的野正八幡宮(まとのしょうはちまんぐう)(山之口町富吉)の神名が記されています。このように、起請文に地域の神を記すことで、自分の縄張りを他者に知らせる効果があったのではないかと考えられています。