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四季花束図小襖(しきはなたばずこぶすま)
小襖とは、小型の襖障子のことをいいます。都城島津家に伝わるこの小襖は、金色の絹地に牡丹(ぼたん)や桔梗(ききょう)、水仙(すいせん)といった四季の花々が、色鮮やかに、そして華やかに描かれた4枚1組の作品です。
この襖絵を描いたのは、江戸時代後期に活躍した鍛冶橋狩野家(かじばしかのうけ)の絵師
狩野探淵斎守真(かのうたんえんさいもりざね)です。鍛冶橋狩野家は、代々、江戸幕府御用絵師として活躍した家系です。特に、 初代探幽(たんゆう)は、日本美術史上にも名を残した高名な絵師です。
この小襖の存在により、当時の都城島津家が、最高レベルの美術工芸作品を購入できる立場にあったことをうかがい知ることができます。