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北郷家家臣団申合状(ほんごうけかしんだんもうしあわせじょう)
慶長3年(1598)11月1日付けで都城島津家の家臣達が署名・花押した申し合わせ状。
この書状によると、ここに名前を記した家臣たちは、長年にわたる朝鮮出兵に伴う在陣で苦労したことから、その慰労として、ささやかながら、一汁一菜にて終夜酒を酌み交わしたということである。そしてその後については、共に熟談した上で、異議のないようにしていくことを愛宕(あたご)様(さま)へ誓っています。
秀吉による朝鮮出兵は文禄元年(1592)から慶長3年(1598)の豊臣秀吉死去まで、長きにわたりました。島津軍に従っていた北郷三久率いる北郷勢も苦労しつつ滞陣していたことでしょう。在陣の労苦をしのばせる史料です。