本文
西洋事情(せいようじじょう)
福澤諭吉(ふくざわゆきち)らは明治維新後、慶応義塾(けいおうぎじゅく・現在の慶応義塾大学)を創設するなど、日本の教育振興に力を尽くした人物でした。
「西洋事情」は、諭吉が幕末に欧米で見聞したことや西洋留学で得た知識をまとめたものです。同書は、諭吉が執筆した数ある書籍の中でも最も売れたと言われていて、制度や文物、アメリカの歴史、財政などを記した初編3冊(慶応2年)、西洋の社会経済を記した外編3冊(明治元年)、2編4冊(明治3年)から構成されています。
この書籍から、諭吉が当時の日本では考えられないような西洋教育や諸制度などを、「ぜひとも、日本に伝え広めたい」いう強い気持ちで、編さんに臨んだことがうかがえます。