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都城島津家家範(みやこのじょうしまづけかはん)
第27代島津久家(ひさいえ)は、大正元年(1912年)12月12日、久家とその子孫が永遠に守るべきことを定めました。その内容を1冊にまとめたものが、都城島津家家範です。
久家はこの中で、旧領主としての人々への接し方や、都城島津家に伝わる古文書などを保存し、伝承することの大切さを説きました。久家は家範に基づいて「都洲島津奨学金(としゅうしまづしょうがくきん)」を創設。地域の人材育成や発展に努めました。都洲島津奨学金は、久家がこの精神を自ら実践した制度でした。後にこの奨学金を受けた学生から、十分な勉学の機会を得られたことに対して感謝の手紙が送られ、保存されています。
武士の時代が終った後も、旧領主家として郷土を変わらず愛した都城島津家の人々の姿を表す貴重な史料です。