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幕府巡見使御道筋之図(ばくふじゅんけんしおんみちすじのず)
「幕府巡見使御道筋之図」は、巡見使一行が通る今町馬場(いままちばば 現在の都城市今町)から牛の峠(現在の日南市酒谷と三股町樺山の境界にある峠)までの道筋を描いた巻物です。
幕府巡見使は将軍が代わるたび、全国一斉に派遣された臨時の監察官のことで、諸国巡見使ともいわれていました。天保9年(1838年)12 代将軍徳川家慶(いえよし)の時に派遣された一行が、最後の幕府巡見使となりました。
一行は、志布志街道で末吉を経由して都城島津家領の今町馬場に入り、都城の広小路(現在の上町)の客屋に分宿した後、寺柱番所(てらばしらばんしょ)に至り、牛の峠を越えて、次の巡見地である飫肥藩領(日南市)に向かいました。
巡見使が宿泊した宿などが、詳しく描かれていることから当時の巡見使への応対の大変さをうかがい知ることができます。