本文
麒麟鳳凰図屏風(きりんほうおうずびょうぶ)
麒麟(きりん)は古代中国で、聖人が出現して良い政治を行うときに、その前触れとして現れるとされる想像上の動物です。松と描かれることが多く、鹿児島藩の絵師木村探元(たんげん)も同様の構図で描いています。
鳳凰(ほうおう)は古代中国で、麒麟・亀・龍とともに尊ばれた想像上の生き物で、聖天子出生の前触れとして出現すると伝えられています。共に描かれている桐は「鳳凰が宿る尊い木」とされ尊く縁起が良いものとされています。
麒麟は獣類の長、鳳凰は鳥類の長として比せられ、しばしば対に描かれることが多いようです。
この屏風は、嘉永(かえい)6年(1853年)島津宗家第28代島津斉彬(なりあきら)の都城領巡見に合わせて都城島津家で制作され、飾られたと伝えられています。