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江戸時代の町役人の役割
江戸時代の町場は、役人が分担して運営していました。
町奉行は町の責任者で、町に居住する人々の他領との往来・商売における取引、さらに町で起こったさまざまなできごとについて、事情を聞いたり、仲裁、さらには役人に披露したりする役割を担っていました。
町中取(まちなかどり)は、町奉行と部当(べとう)の間に立つ役職で、双方の取次役だったようです。
部当は本町については武士が担っていましたが、その他の町は町人が就任していました。いわば、町の代表者、実質上の責任者で、町奉行が担っている事項を町場で代行する役職であったといえます。例えば、町の人々に対して領主から送られた法度の通達などについては、部当から申し聞かせるようになっています。また町中で毎晩、踊りがあったときには、部当が差し止めるべきところであるのに、それを行わなかったということで、町奉行から罰せられているのです。
小部当(こべとう)は部当の補佐役で、町人が就任していました。彼らはそれぞれ役所に詰め、町の政務を取り仕切っていました。
このように、町の運営は町役人が分担して行っていたのです。