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みやぎん経済研究所「調査月報2013年6月号」に掲載された市長の寄稿文を紹介します。
世の中の「組織」は、すべて「人」で構成されている。したがって、いい人材をいかに獲得して育成していくかが、組織にとっての生命線である。
“いい人材"とは何か。おそらく、人として当たり前のことができる人、すなわち、『人間力』を持った人であり、かつ、組織において与えられた「役割」をしっかりと果たせる人であると私は考えている。
それでは、組織を構成している人の「役割」とは何か。一言で言えば、“○○らしさ"ということではないか。すなわち、“係員らしさ"“課長・部長らしさ"といったことである。組織において、個々人が“○○らしく"仕事をすれば、組織はうまく機能するに違いない。
“係員らしさ"とは何か。私が思うに、職場のより良い雰囲気作りに気を配り、何でも自分から学ぼうとする積極性を持ち、また、指摘を受けた場合にそれを受け入れられる素直さを持って仕事に当たることであろう。
「上司・先輩が何も教えてくれない」という言葉を耳にする。しかし、仕事は自分から積極的に学ばない限り、身につかないものだ。昔から「若いうちの苦労は買ってでもしろ」という。若いうちは、そうした気持ちで仕事に取り組んでいくことが大切である。上司・先輩から怒られることもあるだろう。そのとき、上司・先輩からの指摘を素直に受け入れられるかが重要である。すなわち、“怒られているうちが『華』"なのである。就職して何年か経つと怒られなくなる。しかし、怒られなくなる理由には二つある。一つは、その人自身が認められた場合。もう一つは、その人自身が見放された場合。前者になるべく、大いに努力することが重要である。
では、“課長・部長らしさ"とは何か。私が思うに、自分の部課だけでなく、組織全体、地域、県、国の動向、ひいては世界の動向といったあらゆる物事に対して常にアンテナを高く張り、自分の部課が円滑に業務を遂行できる環境を創り上げるとともに、自分の部課で問題が発生した場合に、すべての問題を受け止めて最終的に責任を取れるということであろう。
私見であるが、管理職というものは、仕事がうまく進んでいない場合、問題が発生した場合にこそ、その存在意義が問われるのではないか。そうした時に、問題から目を逸らし逃げてしまうとしたら管理職失格であり、その存在意義はない。
私も、市役所という「組織」と市役所職員という「人」をお預かりする立場であり、したがって、個々の市役所職員が“○○らしく"「役割」を果たし、市役所という「組織」がうまく機能するように、まずは、私自身が率先垂範し、『市民第一』で私自身の役割を果たしていく所存である。
そうすれば、都城市は更に進化・発展し、市民サービスの向上等も図られ、必ずや「南九州のリーディングシティ」となり、「スマイルシティ都城」が実現するものと確信している。
※掲載に当たっては、一般財団法人みやぎん経済研究所の許可を得ています