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都城市にある中央終末処理場の標準活性汚泥法について紹介します。
私たちが生活の中で使っている水は、地下に埋められた汚水管を通って下水処理場へと集められています。
下水処理場できれいになった水は川へと放流され、川の水は海へと還っていきます。
海に還った水は長い時間をかけて水蒸気、雨と変わって、再び私たちの元に戻ってきます。
このように、下水道や下水処理場は、水の循環のために欠かせない施設となっています。
処理場では様々な設備を通って、汚れた水をきれいにしています。
これは、都城市で初めてできた下水処理場である中央終末処理場の処理のしくみを示しています。
中央終末処理場では、最も一般的な下水処理方式である『標準活性汚泥法』により汚水を処理しています。
「出典:国土交通省ホームページ」
家庭から排出された汚水は、下水管を通って下水処理場へ流れていきます。
処理場へ流入した汚水は、まず初めに『沈砂池』で大きなごみや砂などを沈めて、取り除かれます。
その後、汚水はポンプ井に集められ、汚水ポンプで『最初沈殿池』に送られます。
最初沈殿池では、長い時間をかけて滞留させることで、汚水に含まれる微小な固形物等を池の底部に沈殿させます。沈殿させた固形物は、掻き寄せ機により集められます。
ばっ気槽では、空気を送り込むことで汚泥中に含まれる微生物が活性化し、汚水に含まれる有機物が分解されます。
この処理が、放流水質に直接的に影響を与える最も重要な処理工程であることから、汚水の性状に応じて空気を送り込む量の調整を行っています。
ばっ気により有機物が分解された汚水は、『最終沈殿池』に送られます。
最終沈殿池では、最初沈殿池と同様に長い時間滞留させることで、汚水に含まれる微小な固形物等が取り除かれます。ここでは、ばっ気槽で使われた微生物を含む汚泥が池の底部に沈殿し、掻き寄せ機により集められます。
最初沈澱池や最終沈澱池で集められた汚泥は、脱水・濃縮し、堆肥化しています。汚水は、最終沈澱池内の上澄み水のみが最終工程となる塩素混和池に送られます。
最終沈澱池より送られた汚水は、塩素による消毒を行い、河川へ放流されます。
塩素混和池では、処理された汚水に塩素を加えることで、汚水中に含まれる大腸菌群などの微生物を消毒して河川に放流することができるきれいな水へと生まれ変わります。
これらの処理を通して、浄化された汚水は、河川に接続された放流口から放流されます。放流口では、法令で定められた水質検査を実施し、安定した放流水質管理を行っています。