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広報都城で連載中の「ぼんちくんと歴史探検」ホームページでは少しくわしく解説します。
今回のテーマは、白山原遺跡で発見された「木製品」です。
漆塗り(うるしぬり)の椀(わん・写真:一段目)や髪(かみ)にさす櫛(くし・写真:二段目)、木槌(きづち・写真:三段目)、編(あ)み物につかう錘(おもり)、木の板(写真:四段目)など、たくさんの木製品が発見されました。
また、これらの木製品と一緒に土師器(はじき・素焼きのお茶碗)や国産陶磁器(こくさんとうじき)、舶載陶磁器(はくさいとうじき・大陸などからもたらされた陶磁器)などもたくさん出てきました。
鎌倉時代から室町時代のものと考えられています。
早水公園の北側、白山原遺跡の発掘調査で発見されました。白山原遺跡はもともと浅い谷だった地形を造成(ぞうせい)し、水田として使っていた場所にあります。そのため、発掘調査では大量の水が湧き出しました。
平成27年10月~平成28年3月に実施した、道路建設や公園整備に伴う発掘調査で見つかりました。
木で作られたものは、そのままだと腐(くさ)ってなくなってしまいます。これは木を腐らせる菌(きん)の作用です。これらの菌は水の中では働きがにぶくなるといわれています。白山原遺跡の木製品はずっと水の中に浸かっていたため、腐らずに残っていたと考えられます。
遺跡の発掘調査では、土をこねて形を作って焼いた「土器」や「陶磁器」はたくさん出てきますが、腐りやすい木製品はほとんど見つかりません。今回の発見は、焼き物だけではわからない鎌倉時代や室町時代の人々の暮らしの様子を解明する大きな資料となると考えられます。