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鬼束家は都城南部に勢力のあった有力豪族です。15世紀には中之郷(都城市東南部)を領地としていましたが、16世紀には北郷家の家臣へ組み込まれていきます。
鬼束家に伝わる古文書は13点あり、15世紀前半の土地領有に関する文書や足利義昭(ぎしょう)に関する文書などが残されています。
足利義昭は室町幕府第6代将軍を決めた「くじ引き」(応永35年・1428)ではずれた人物です。将軍職についた兄・足利義教から逃れ、日向国まで下りましたが追い詰められ、櫛間(現在の串間市)で自害しました。その間の一時期、都城中郷を本拠地とする鬼束氏にかくまわれていたと考えられています。