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都城盆地底に展開する一万城扇状地のほぼ中央、都城市と三股町の市境に広がっている遺跡です。平成元年(1989)、平成17年(2005)、平成20年(2008)に大学や店舗建設に伴い、発掘調査が実施されました。
向原第1遺跡、第2遺跡ともに、住居・土坑・溝などからなる弥生時代中期~後期の集落遺跡であり、谷に面した扇状地面の端部に形成されています。
特筆すべき遺構としては、第1遺跡3号住居跡が上げられます。この住居からは台石や砥石(といし)が出土し、床には焼けた小さな鉄片が散乱していました。弥生時代、南九州では例の少ない鍛冶工房跡と考えられています。