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石坂牛之助の墓と伝えられる石碑です。
高さ102センチメートルの自然石型で、中央に「□心 [ ]壽阿弥陀仏」(□は一字欠損。[ ]は複数字欠損)、その右に「前石坂牛之助」、左に「慶安三天八月廿二日」と刻まれます。
石坂牛之助は修験者と伝えられる人物で、火を操る行者としての伝説も残ります。火伏の神として信仰され、現在でも高城や三股、高崎、野尻などの各地区に残る「火事講」代表者による参詣と「石坂大明神御奉牒札」の配布が続けられています。
火伏の神としては、全国的には「愛宕社」や「秋葉社」が知られますが、このような個人の墓が信仰の対象となっている例は珍しいとされます。