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「広報都城」で連載(れんさい)していた「ぼんちくんと歴史探検」。
ホームページではちょっとくわしく解説(かいせつ)します。今回は「日本で一番古い!? 壷(つぼ)」のお話です。(広報都城平成27年7月号掲載)
都城市志和池(しわち)の丸谷町(まるたにちょう)でみつかりました。みつかった遺跡の名前は「下薗遺跡」(しもぞのいせき)です。
地層(ちそう)の見学にきていた志和池小学校の6年生がみつけました。工事でけずられた地層の中からでてきたそうです。
たて約45センチメートル、横約36センチメートルです。だきかかえると赤ちゃんくらいの大きさがあります。
縄文土器(じょうもんどき)の一種です。ギザギザの文様(もんよう)(山形文・やまがたもん)が特長です。鹿児島県大口市手向山遺跡(たむけやまいせき)で最初にみつかったため、「手向山式土器」とよばれます。
今から8000年前、縄文時代のはじめごろにつくられた土器です。
都城で一番古い「壷」です。日本でも最古級(さいこきゅう)の「壷」です。
「壷」の形をした土器は、今から2000年くらい前の弥生時代(やよいじだい)から多くなります。この「手向山式土器の壷」はそれよりも数千年も前に作られた「壷」であり、日本でもっとも古い「壷」のうちの一つです。ちなみに、一番古い「壷」(「手向山式土器の壷」よりちょっと古い「壷」)は熊本県でみつかっています。
「手向山式土器の壷」はこれだけです。これよりもちょっと新しい「壷」は鹿児島県霧島市上野原遺跡(うえのはらいせき)でみつかっており、国の重要文化財となっています。
この「壷」は火にかけられたようすがないので、調理などではなく、おまじないや何かの儀式(ぎしき)に使われたのではないかといわれています。