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広報都城で連載中の「ぼんちくんと歴史探検」。ホームページでは少し詳しく紹介します。今回は都城盆地誕生のお話です。
約70万年前から3万年前にかけて、都城盆地は湖となっていた時期がありました。その湖のことを「都城湖」と呼んでいます。
都城湖の想像図(この図は国土地理院発行数値地図50メートルメッシュ標高データをもとにカシミール3Dで描いたものである。)
今の都城盆地のほぼ全域が湖だったと考えられています。
日本列島が形作られていたころ、あちこちに山ができたり陥没が起こったりします。その陥没した凹地の一つが都城盆地となりました。そして、その凹地に水がたまり都城湖ができたと考えられています。
都城の地面の下を深く掘っていくと、湖成層(こせいそう)とよばれる湖によって形成された地層(礫(れき)・砂・粘土・軽石の層)が見られるため、湖があった事がわかります。
約3万年前、錦江湾の奥にある海底火山「姶良カルデラ」が噴火しました。南九州一帯は火砕流で覆われてしまいます。この時の火砕流がシラスです。また、火山灰は東北地方でも確認されており、日本列島を巻き込む、非常に大きな火山噴火だったことが分かります。
シラス層(庄内町)
都城湖は姶良カルデラの噴火による火砕流で埋め尽くされてしまいます。この時の噴火が、都城湖がなくなる一つの原因となったと考えられています。
都城盆地は約7300年前の鬼界カルデラの噴火や約4600年前の霧島御池の噴火、たび重なる地震や洪水など、大きな災害を受け続けてきました。
都城盆地の地層(いくつもの火山灰層が観察できる。)