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都城市高城町石山の高取原地下式横穴墓から出土したもので、鉄剣4点と鉄鏃(鉄製のやじり)23点で構成されています。
鉄鏃には全国で数点しか発見されていない珍しいものが含まれており、また、鉄剣の鞘に巻かれた絹や木の皮の様子が分かるなど、保存状態も非常に良好です。これらには、在地で生産されたもののほか、畿内地域で生産され広域流通したものが含まれています。この出土品から、古墳時代の都城盆地での鉄生産の技術が分かるほか、畿内地域と何らかの関係をもっていたことも分かります。
都城盆地における地下式横穴墓出土鉄製品の最も古いものの一つに当たり、古墳時代の都城盆地の様相を知る上で重要な資料です。
これらの出土品は、現在は高城郷土資料館に展示されています。
奈良文化財研究所全国遺跡報告総覧「高取原地下式横穴墓」のページ<外部リンク>で報告書を閲覧することができます。